コントローラーの選定 2 

自動散水装置グレードアッププロジェクト

 


 次は、おなじみ秋月通商のキットでの構成で散水装置が作れない物かと検討してみました。

 ここで扱っている商品は非常に豊富なので、いろんなパターンが考えられるのですが、今回はトライステート社が開発したPICNICに白羽の矢を立ててみました。

 このキットはMICROCHIP社製PICマイコンをコアに、LAN、RS-232C、入出力ポートが周辺に割り当てられています。 あらかじめファームが埋め込まれているので、ユーザープログラムはLANやRS-232Cに接続されたパソコン上で組むのが通常の使い方のようです。



 

 このボードには設定用に簡単なhttpサーバー機能が付いているので、ブラウザからアドレス設定を始め、PIOの入出力制御が行えます。 左の図にあるように、目的のポート出力のボタンを押すことで、制御出力をオン、オフさせることが可能というわけです。

 しかもIEEE-802を取得しており、1台毎にMACアドレスが異るので、グロバールIPでWAN接続する事も可能なのです。

で、これらの機能をフルに生かして、PICNICを使った最も簡単な散水装置を考えて見ました。


 時間による制御等という概念は捨て去り(^^ゞ 例えどんなに残業しようとも、出張で遠方に出向こうとも、どこに居ようが自分がかだんの前であたかも水を撒いているような動作を遠隔から行えるようにしようと言う物です(^^;)

 グローバルアドレスを割り振ったPICNICをインターネットに接続し、遠隔から携帯電話などのブラウザから直接電磁弁出力を操作するという、あくまでも水は自分で心を込めて撒くべし!という概念にたったアイデアです。

 雨が降ったかどうかは、雨センサーの信号をPICNICの入力表示で確認し、散水すべきか否かは人間が判断します。 バーチャルとは言え、植物を慈しむ気持ちは抱き続けようと言う、愛のあるシステムだと思いませんか(爆)

 携帯もフルブラウザ機やJIGブラウザ等の出現でPCと同じ体裁で見れるようになってきたので、案外実用的かも知れません。

 因みに、散水し忘れてもシステムのせいにできないので注意が必要です。

 

 

●パソコンで制御する●

 PICNICには、DLLやOCXなどのActiveXコントロールが用意されておりますので、実に簡単にVisualC++やVidual Basicのユーザープログラムを作成する事ができます。

 もしWindows版のホームサーバー等の24時間連続稼働する環境を用意できるなら、PICNICをリモートI/Oとして利用した散水制御装置を構築するのも面白そうです。

 但し、Windowsを連続稼働するには、メモリーリークなどで、リソース不足に陥る不具合の発生も考えられますので、十分信頼できるシステムか?と言われると、ちょっと心配な面もあります。
 しかし、既存のシステムを有効活用できるのであれば、最も安価に構築できるシステムであるとも言えますので、こまめにサーバーメンテされる向きには実用的なシステムだと言えるかも知れません。

 また、PICNICを複数台使用することで、散水制御だけでなくホームセキュリティや簡単な家電制御などへの応用への展開も期待できるため、成長性のあるシステムとして面白いのでは無いでしょうか?

 

●NTPサーバー接続自立制御●


 次に、PICNICをワンループコントローラーとして単体での自立制御は可能なのか? と言う点を考えて見ようと思います。

 PICNICには時計が搭載されていません。 従って、自分で時刻を知ることができないので、自立で制御を行うにもその点を解決しなければなりません。
 しかし、そこはLAN搭載の強み!? NTPサーバーに接続して時刻を取り込む機能改造の記事を拝見して、これなら行けそう!ってことで時刻合わせ問題は解決(^^ゞ

 後は雨センサーの制御と電磁弁の制御を盛り込めばOKなのですが、当然これら総てはファームウェアをいじることになります。

 ソースは公開されていますので(アセンブラ)、まずは人が書いたプログラムを紐解く努力と、PICにプログラムを書き込むライター、専用のコンパイラ(アセンブラ)が必要になります。

 できあがりは最もシンプルなワンループコントローラーを構築できるのですが、最もパワーを要する作業になるのは間違い無さそうです(^^ゞ チャレンジ精神旺盛な方には恰好の素材では無いでしょうか? 完成したら売り物になるかも?(^^ゞ

しばらくお待ちを